ヒキダスブログ

テック系や最近見たもの感じたことを書いて残す引き出しスペースです

気になった広告事例 その1 ( Sapeurs, Mistakes )

こんにちは。
仕事や資料まとめでブログ更新が止まってしまっていたので、そろそろ再開しようと思います。。

はじめに

フロントエンドエンジニアになる前は、デジタルハリウッドに通っており、その時に出会った講師やチューターに様々な展示やイベントを紹介してもらったことがきっかけでアートやデザインといった技術分野外に目を向け、インプットする習慣が身についてきました。

当時、新宿ミラノ座で毎年行われていた 世界のCMフェスティバル に行くのが楽しみだったりしました。世界のCMフェスティバルとは、国内外の傑作CMをオールナイトで鑑賞するというもので、場内にはコーヒーやお酒、フードが売られ、お祭り気分ながらも夜11時くらいから朝5時まで休憩が何回かあるものの、ぶっ続けで観るハードかつ刺激的なイベントでした。

ミラノ座閉館以降、CMフェスティバルに行く機会がなくなってしまったのですが、最近行ったアドミュージアム東京の常設展 で、当時観たCMのいくつかが紹介されていたのに印象を受けました。

観て印象に残ったCMを記憶にとどめとくのもなんなので、備忘録かつなぜ良かったのかを言語化して整理する意味も込め不定期ながらブログに書きとどめていこうと思います。

今回は、先の常設展に展示されCMフェスティバルにも流れていた作品の一部になります。

Sapeurs : Guinness Beer

youtu.be

これは、コンゴで生活する労働者でありながら、サップというカラフルなファッションで身をつつみエレガントに過ごしている「サプール」を取り上げたギネスビールのCMです。

彼らは、自身を鮮やかに彩ることで、戦争の惨禍から抜け出し平和を過ごす「今を生きる喜び」を体現しています。リッチな富裕層かというとそのようでもなく、普段は他の人たちと同じ生活です。なかには、他の人と服を貸借りしている人もいるそうです。

それでもなぜこのような生活をするのか。自身が生きている喜びを表現したい、自分の生き方は他人に左右されるものでなく自分で決めるもの、から来ているのでしょう。困難の中でエネルギーを爆発するというのは、これまでの人の歴史の中にもあったもので、それにも通じているのかもしれません。

youtu.be

また、本CMに流れている曲も非常に印象に残りました。The Heavyの 'What Makes a Good Man?' という曲だそうですが、曲の力強さが彼らサプールの生き方にも通じているように感じます。

www.youtube.com

Mistakes : New Zealand Transport Agency

youtu.be

郊外を進む2台の車。片方は後部座席に子供を乗せた父親が運転し、もう片方はスーツを着て仕事で急いでいると思われます。父親は相手がスピードを緩めてくれると思ったのか、スーツの男も車が横切るのを気づけなかったかで危うく衝突しそうになります。

その瞬間、父親とスーツの男以外の時間が停止し、お互い車を降りて会話をします。ただ、それでもどうにもならず、2人はそれぞれ自分の車に戻った後、時間が再開し結果衝突するCMでした。

本来ならばぶつかるドライバー同士でやりとりすることのない光景を、英語の聞き取りが下手な自分でも直感的にわかりやすくしたCMになっています。そして、衝突するまでの時間に想起する後悔、憤りが強く伝わり、CM最後のメッセージにもあるように、New Zealand Transport Agencyはそうしたスピードの出し過ぎに警鐘を鳴らしています。

振り返り

こうしたCMをみてみると、日本のCMはクライアントのサービスの機能性やメリット(新機能の〇〇とか、半額を謳った感じ)に直結したCMが多いような気がしました。ただ、それは海外のCMにも多少なりあるでしょうし、日本のCMにもトミー・リー・ジョーンズが出演する缶コーヒーのボスやカロリーメイトのCMだったりと、製品自体にフィーチャーするより観る人の意識を変えるようなものもいくつかあります。

また、国内の課題に則したCMになりがちで、海外の課題を取り上げるCMが現実的に難しいのもあるのかもしれません。それもまた、海外のCMにおいても、各国の中での課題になってしまっているのかもしれません。

とはいえ、今はネットで海外の広告を知って観ることもできるため、こうした事例に目を向けつつ自分ができそうな表現を模索してみようと思います。

参考